2011年6月に観た映画・DVD


6月の鑑賞メーター
観たビデオの数:11本
観た鑑賞時間:886分


X-MEN [Blu-ray]X-MEN [Blu-ray]
ミュータントの悲哀にスポットを当てた前半がずっと青く薄暗い画面で、沈んだムード。「人間に放射能を当てミュータントにする」のがマグニートーの作戦の肝だった。このご時世テレビで流せないだろう。プロフェッサーXを演じるパトリック・スチュアートと、マグニートを演じるイアン・マッケランが渋かった。チェスの場面最高。二人の過去に何があったのか、確かに気になる。
鑑賞日:06月07日 監督:ブライアン・シンガー


X-MEN2 [Blu-ray]X-MEN2 [Blu-ray]
やっぱじいさん二人の場面はすばらしい。あの兜が似合うのはイアン・マッケランだけ!『X-MEN』が「プロフェッサーXのチーム」という意味だと気付いたのは、エンド・ロールで"X-KIDS"とあるのが見えたときだった・・・。カート・ワグナーを演じているのがアラン・カミングと知り嬉しくなった。しかしウルヴァリンジーンとミスティークの二択だったらぜったいミスティークだろ・・・。いや、単なる私の好み。
鑑賞日:06月07日 監督:ブライアン・シンガー


X-MEN:ファイナルディシジョン [DVD]X-MEN:ファイナルディシジョン [DVD]
キュア開発の研究所に襲撃をかける際の橋のシーンで、マグニートーが後ろの車を振り返ったら、親子連れの母親が窓のロックをかける。それを見たマグニートーの諦めたような皮肉な笑顔が、ミュータントと人間の断絶を鮮やかに表現していると思った。エレン・ペイジがフィーチャーされすぎな気がする。終盤墓の前に立つのは彼女でよかったのか、と前2作を見たあとは感じる。その墓で眠っている人々と彼女の感情的紐帯はなかったはずだ。人間に戻ったミスティークの扱いの薄さにも不満を感じる。彼女についてもっと掘り下げてほしかった。
鑑賞日:06月07日 監督:ブレット・ラトナー


レギオン [Blu-ray]レギオン [Blu-ray]
大天使ミカエルが「神の意志に背いて」人間の味方をし、「神の意志に従った」ガブリエルおよび天使の軍団と対決する。天使長として軍団を率いて悪魔の長ルシファーと戦ったミカエルがかつての部下(下級天使)達を撃退し、かつて聖母マリアに受胎告知したガブリエルが、今度は生まれてくる救世主を殺そうとする。この人類の存亡をかけた戦いがニュー・メキシコ州の寂れたダイナー(名前はPARADISE FALLS![堕落した楽園])で展開されるのは、かつてイエス・キリストが宿屋の馬小屋で生まれたことを考えれば、至極当然のことである。
鑑賞日:06月09日 監督:スコット・スチュワート


17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]
16歳の少女が自分の倍くらいの年齢の男性と知り合い、人生の手ほどきを受ける。男のほうは人生の刷新を賭けて少女との関係に溺れるが、土壇場でケツをまくる。男の人というのは案外弱々しい生き物なのかもしれない、と思った。ジェニーが最後に頼るのがエマ・トンプソン演じる校長と英文学講師のスタッブス先生という二人の女性だというのは考えさせられる。女性が女性を救うという設定だ。オックスフォードやケンブリッジにまで行かないと当時のイギリス人女性は経済的・精神的自立を手に入れられなかったのかと思うと、気が遠くなる。
鑑賞日:06月10日 監督:ロネ・シェルフィグ


ファースター 怒りの銃弾(ドウェイン・ジョンソン主演) [DVD]ファースター 怒りの銃弾(ドウェイン・ジョンソン主演) [DVD]
"Driver"、"Killer"、"Cop"の三人が、それぞれの過去の清算を求め、標的を追う。復讐に燃えるドウェイン・ジョンソンの姿を象徴的に捉えたカットは四つ。監獄の独房をイライラと横切る姿、釈放されて一目散に砂埃の舞う道を横切る姿、最初の標的の職場に向かって道路を横切る姿、そして最後、画面の奥に向かって彼の乗った車が疾走するショット。"Faster"(より速く)という題名にふさわしい。しかし、過去の因業な行いは必ず本人に戻ることを象徴するかのように、逆走やバックで走る車のシークエンスも多い。
鑑賞日:06月10監督:ジョージ・ティルマン


La Fleur du mal [Import]La Fleur du mal [Import]
華麗なる一族の退屈な日常に潜む忌まわしい過去が、夫人の市長選挙を軸に描かれる。うなぎ、牡蠣、焼きたてのクロワッサン、鳥の丸焼き、…出てくる料理が美味しそうだった。 あと、ワイン飲みたくなる。従兄妹同士で恋愛関係に堕ちるフィリップ(ブノワ・マジメル)とミシェル(メラニー・ドゥテー)のキス・シーンは実にエロい。旧家の「昔から受け継がれてきたいい物を手入れしながら使い続ける暮らし」と、夫人が選挙運動で回る低所得者向け公営住宅と、その中間にある夫のオフィスの対比が気になる。社会的階層の描写に意識的のように思えた。
鑑賞日:06月10日 監督:Claude Chabrol


The Swindle [VHS] [Import]The Swindle [VHS] [Import]
詐欺師コンビのベティとヴィクトールと運び屋モールスが、お互いを欺きあいながら、金を自分のものとしようと画策する。イザベル・ユペールが次々と姿を変えて可愛い。 当初男性の誘惑者として真っ赤な口紅を付けて登場したベティが、ショートカットの若々しい少女のようになり、終盤年相応の素顔になるのには、ストーリー上の必然がある。エリザベート、ベティ、シシという名前は、ロミー・シュナイダーを思い起こさせるが、何か意味があるのだろうか。ユペールと彼女は知的な整った顔立ち、小柄、ダーク・ブラウンの髪という点で類似する。
鑑賞日:06月10日 監督:Claude Chabrol


コブラ・ヴェルデ [DVD]コブラ・ヴェルデ [DVD]
領主の娘三人を立て続けに孕ませたために、「奴隷を集めて来い」(できれば殺されろ)と、とあるアフリカの部族の下へ派遣される山賊コブラ・ヴェルデ。部族の王がやたら流暢なドイツ語を話す。この部族の儀式的な振舞いや王の頭の中にしかいない"森の王"は、文化人類学的にかなり面白い事例だと思う。ふと、グラウベル・ローシャの『黒い神と白い悪魔』(1964年)から影響を受けているのではないかと思った。コブラ・ヴェルデが数百人のアフリカ人女性兵士を訓練するシーンは必見。やはりヘルツォークは風景を自分が描いた絵のように撮る。
鑑賞日:06月14日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク


カスパー・ハウザーの謎 [DVD]カスパー・ハウザーの謎 [DVD]
ブログに感想書きました。→「世界に投函された手紙としての人間−『カスパー・ハウザーの謎』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20110621/1308660424
鑑賞日:06月24日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク


マトリックス 特別版 [DVD]マトリックス 特別版 [DVD]
序盤、麻薬の売人が「俺にとっちゃあんたはキリストだ」と言う。トリニティは「神、聖霊、キリスト」の三位一体のことである。ネオをキリストとする比喩がちりばめられている。 現実世界での最後の人間の街が"Zion"という。キリスト教においては、「完成された神の国」、ユダヤ人にとっては「ユートピア」。Zionism(ユダヤ人の民族国家をパレスチナに樹立することを目指した運動)とも繋がる。やはりあからさまな比喩。ネオが予言者に会いに行くってのも、キリストに洗礼を与えたバプテスマのヨハネのエピソードを想起させる。
鑑賞日:06月24日 監督:Array,ラリー・ウォシャウスキー

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