2011年9月に読んだ本

9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1231ページ
ナイス数:9ナイス

キャッチ=22 上 (ハヤカワ文庫 NV 133)キャッチ=22 上 (ハヤカワ文庫 NV 133)
「たったひとつだけ"落とし穴(キャッチ)"があり、それがキャッチ=22だった。(…)もし出撃に参加したらそれは気が狂っている証拠だから、出撃に参加する必要はない。ところが、出撃に参加したくないというなら、それは正気である証拠だから出撃に参加しなくてはならない」(77-8)。登場人物の弄ぶ行動原理すべてがこの理屈で説明される。最初は狂気にしか見えないヨッサリアンが、いちばんまともに見えてくる。最も狂っているのは自分の出世のために出撃回数を増やす軍の上層部。映画化するならヨッサリアンはジョン・ベルーシがいい。
読了日:09月02日 著者:ジョーゼフ・ヘラー

Wall and PieceWall and Piece
ステンシルを使い権威者たちに無断で街の壁面に作品を投下するアート・テロリストの作品集。警官や騎兵を不謹慎にデコッた絵が多い。壁に勝手に「合法グラフィティ壁面」の文字を描いてほかのアーティストの活動も促進しているとこがいい。絵の横に「展示継続時間」が記載されており、3分や2時間とあるのを見ると、その時間の短さも含めて作品と思わされる。最も見応えがあるのは、やはりパレスチナ分離壁に描かれた青空や風船少女の絵。(ガイド)「(大爆笑しながら)もちろん監視塔に狙撃兵はいますよ。無線電話を持った狙撃兵がいるんです」
読了日:09月02日 著者:Banksy(バンクシー)

キャッチ=22 下 (ハヤカワ文庫 NV 134)キャッチ=22 下 (ハヤカワ文庫 NV 134)
50回、60回、70回と出撃回数が増やされるにつれ、最前線の航空兵は死んでいき、物語は閉塞感を増す。権力側に都合のいい前提を押し付けられる兵士たち。彼らは命を賭けるが、上層部は出世や金儲けのために彼らを食い物にする。「キャッチ22だよ。キャッチ22は、あいつらにはどんなことだってする権利があり、あたしたちがそれを止めだてしてはならない、と言ってるんだよ」(p.286)「彼らは好きなだけいくらでも公式報告を用意し、情勢しだいでどれでも必要と思うものを選ぶことができるんだ」(p.347)。結末は希望が持てる。
読了日:09月22日 著者:ジョーゼフ・ヘラー

これを英語で言えますか?―学校で教えてくれない身近な英単語 (講談社パワー・イングリッシュ)これを英語で言えますか?―学校で教えてくれない身近な英単語 (講談社パワー・イングリッシュ)
これは面白かった。日本の中高の英語教育で教えてくれない英単語を扱っている。特に第2章「これくらいは知っておきたい、数や図形の英語」は、「足し算と引き算」から始まり、「体積の求め方」まで、数学的記号の英語読みが分かるのでためになる。そのほかに、調理の際に使われる動詞の区別や、会社の英語、社会の英語など。日常生活では頻出するのに日本の学校教育内では意外と教えられていない言い回しが出てくる。単語に関連情報が載っているが、説明に多寡あり。個人的に気に入ったのは、第6章「遊びの英語」内の「相撲用語を英語で言うと」。
読了日:09月30日 著者:

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