2011年9月に観た映画・DVD

9月の鑑賞メーター

観たビデオの数:27本

観た鑑賞時間:3028分

ルパン三世 ルパン vs 複製人間 [DVD]ルパン三世 ルパン vs 複製人間 [DVD]
銃撃されてもワイングラスを死守する次元がダンディ。劇中の殺し文句→「(永遠の命なんて)ルパンと一緒じゃなきゃごめんだわ」(不二子)、「俺は夢奪われたからな。取り返しにいかにゃ」(マモーの脳内検査により「ルパンは夢を見ない」ということが明らかになっているため、ルパンにおける不二子の重要性が強調される)。『激突!』や『2001年宇宙の旅』といった映画や、現代美術へのオマージュもあり。オリジナルとコピーの交換可能性(「自分がコピーではないか」という自己同一性の不安)や、米軍の傲慢さもさりげなく描かれている。
鑑賞日:09月02日 監督:吉川惣司

沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]
235分もあるが、長さをまったく感じさせない。労働組合活動のために懲罰人事でカラチ、テヘランケニアと当時の僻地勤務を命じられた主人公恩地。ケニア大使エスコートのために帰国した際に、御巣高山の大惨事が起こる。遺族対応のため日本に残った彼は、新会長に見出され、国民航空の体質改善に尽力する。軸となるのは、恩地と元副委員長の行天のライバル関係。転勤生活で疲れきった彼を癒すのが「僻地」と言われるアフリカの大地であったり、念願の帰国のきっかけが航空事故であったりと、倒錯的な構造を感じなくもない。とてもいい映画だ。
鑑賞日:09月03日 監督:若松節朗

キンスキー、我が最愛の敵 [DVD]キンスキー、我が最愛の敵 [DVD]
ドイツ人天才監督が、5本の映画をともに作った天才俳優との愛憎入り混じった関係を回想するドキュメンタリー映画ヘルツォークが自然に関して言う台詞"I love it...but I love it against my better judgment."が、キンスキーとの関係を象徴している気がした。決して声を荒げないヘルツォークの狂気の方が底知れない。「彼の指摘はいつも正しかった。曖昧なことは何も言わなかった」というキンスキーのプロ意識が印象的。蝶がキンスキーから飛び去ろうとしないラスト、美しすぎる。
鑑賞日:09月06日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

スターシップ・トゥルーパーズ2 [DVD]スターシップ・トゥルーパーズ2 [DVD]
予算不足か、ほぼワン・シチュエーション物。前作と趣が異なり、照明が暗めで昔の恐怖映画のような演出と音楽。パニクる士官対叩き上げ兵士どもといった構図にやや既視感は否めないが、監督が特撮出身だけありクリーチャー等丁寧な作り。戦意高揚に対する皮肉なトーンが消えているかと思ったら、結末で「兵士使い捨ての政府の方針に批判的だった大尉の最期の言葉を改竄し、戦争英雄に仕立てる」という強烈な皮肉があった。脚本家のエド・ニューマイヤーによると、「プロパガンダの過程を描きたかった」ということで、その試みは成功していると思う。
鑑賞日:09月07日 監督:フィル・ティペット

マニアック・コップ [DVD]マニアック・コップ [DVD]
「狂気の警官」が警官の制服や装備をゆっくりと身に付けていくオープニングがフェティッシュ。暴漢二人組から逃げてきたウェイトレスがマニアック・コップに殺される冒頭が凶悪。前半と後半でメイン・キャラクターが変わるのでびっくりした。前半のブルース・キャンベルは、狂気を宿した目つきでいい。「警官の恋人が有罪となったとき、カトリックなのに自殺未遂をした婦人警官の話」はもっと掘り下げてもいい気がする。「エレベーターホールで殺人鬼はヒロインに止めを刺す機会があったのに、なぜそうしなかったのか」など疑問は残るが面白かった。
鑑賞日:09月07日 監督:ウィリアム・ラスティグ

デス・プルーフ プレミアム・エディション [DVD]デス・プルーフ プレミアム・エディション [DVD]
ブログに感想書きました。→「俺の車は耐死仕様−『デス・プルーフ』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20110908
鑑賞日:09月09日 監督:クエンティン・タランティーノ

ロッキー2ロッキー2
CM撮影のためのグロテスクな特殊メイクを外したとき、当時のスタローンの顔の美しさが際立つ。生々しい存在感を放つ食肉工場の肉。煽られても絶対に侮辱的なことを言わないロッキー、出産後意識不明となったエイドリアンに自作の詩を読み、彼女の"Win."の一言で燃え立ち、"WIN ROCKY WIN"と書かれた練習着で特訓し、子供たちを引き連れてジョギングし、試合前に祈る信心深く祈るロッキー。まったく典型的ではないボクサー像。試合後対戦相手に感謝する謙虚もある。臆病でボーっとしているが、マッチョにはない魅力がある。
鑑賞日:09月09日 監督:シルベスター・スタローン

ロッキー3 [DVD]ロッキー3 [DVD]
「甘い暮らし」を知ってしまい、ハングリーさを忘れたチャンピオン、ロッキーと野獣のように獰猛なボクサー、クラバー・ラングとの戦い。スターとなりちゃらちゃら練習するロッキーとたった一人で特訓するクラバーの対比。ミッキーが心臓の持病で倒れ、試合に集中できなくなるロッキー。「勝ったか?」の問いに「ああ」と嘘を答えてしまうロッキー。かつてのライバルに連れられカリフォルニアの黒人だらけのジムで特訓するロッキーは、アポロの指導でリズム感を身に付け、鋭い"eye of the tiger"(野獣の目)を取り戻す。
鑑賞日:09月09日 監督:シルベスター・スタローン

ロッキー4 [DVD]ロッキー4 [DVD]
ジェームズ・ブラウンが登場して盛り上げた後、アポロがドラゴに血祭りにされる。リングの上で注目を浴びることの中毒性を、客の歓声に押され立ち上がるアポロがよく表している。彼の敵をとるために、ファイトマネーゼロ、完全アウェイで試合するロッキー。丸太など原始的な道具を用いたロッキーの訓練法を、最新鋭の機械で模倣するドラゴ。ミッキーもアポロもいないという状況で、初めて自分で訓練スケジュールを組むロッキー。彼と戦ううちに自我に目覚めるドラゴ。アメリカ国旗に包まれソ連の観客から歓声を浴び、キャリアの頂点にいるロッキー。
鑑賞日:09月11日 監督:シルベスター・スタローン

ロッキー5 [DVD]ロッキー5 [DVD]
計理士に金を持ち逃げされ、一晩で丸裸にされ、フィラデルフィアの下町に戻ってきたロッキー。若きボクサー、トミー・ガンのマネージャーとしてリングサイドに立ち、彼と一体となって自分も闘っているような感覚を抱くロッキーだが・・・。音楽にラップが取り入れられ、1作目にあったロッキーの陽気な身振りが戻ってきている。息子のセイジ・スタローンがかなりいい面構え。寒い路上でエイドリアンが「あなたは力ではなくハートで勝ってたの」という場面最高。二人称のときもbe動詞を"was"にする癖が直らないロッキーは一貫している。
鑑賞日:09月12日 監督:ジョン・G・アビルドセン

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [DVD]ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [DVD]
冒頭、"Take it back."という歌詞の歌が流れる。女性への侮辱を許さず、シングルマザーとその息子を自分の店で働かせ、彼らの玄関の電灯をさりげなく換えてやるロッキーの優しさ。自分と同じような老犬を保健所から引き取る。すぐ物事を諦めて父の偉大さを言い訳していた息子に、「何度でもやり直すこと」の大切さを教える。血管の浮いた老体を晒して10ラウンド戦いぬいた後に言う台詞、"The beast is gone now. The beast is out."を聞き、一種の悪魔祓い映画でもあるのかと思った。"
鑑賞日:09月13日 監督:シルベスター・スタローン

ハイテンション アンレイテッド・エディション [DVD]ハイテンション アンレイテッド・エディション [DVD]
「田舎に泊まろう」系ホラー。冒頭のヒロインの独白、来歴の説明されない典型的殺人鬼像、母親が死ぬシーンの台詞などで、早い段階から犯人は誰か分かってしまうが面白い。「発情してない」と言いながらオナニーするヒロイン。恐ろしい殺人鬼から親友を救うことでしか、自分の中の禁忌と欲望を克服できなかったのではないか。殺人鬼が来た時、部屋に自分がいた痕跡を急いで消すシーンよかった。チェーンソーで車を襲うラスト凶悪。生々しい足音や息の音が効果的。アジャ監督25歳の作品。ジャンネット・デ・ロッシの特殊メイクがすばらしい。
鑑賞日:09月13日 監督:アレクサンドル・アジャ

スピーシーズ 種の起源 [DVD]スピーシーズ 種の起源 [DVD]
地球外生命体と人間とのハーフ、シルが人間の男の種子(species)を求めて徘徊する。超美人なのに最初の方でずっとウェストポーチを着けているのがいい。人間の行為を見て学んでいく彼女だが、なぜ親指で偽装という高度ななりすまし工作がいきなりできたのか。ボルトを落とすという信じられないような失敗で、実験室から出してもらえなくなるというシーンの間抜けさ。地味でかなり間延びしている印象。1995年の作品だがベン・キングズレーマイケル・マドセンフォレスト・ウィテカー、アルフレッド・モリーナと、キャストが豪華。
鑑賞日:09月13日 監督:ロジャー・ドナルドソン

ハンテッド [DVD]ハンテッド [DVD]
「そこにあるものを活用しながら」系マンハント映画。冒頭、「ハイウェイ61で」息子イサクを殺すようアブラハムに命じる神の声のあと、暗殺部隊の教官L.T.(狩る側)と、教え子アーロン・ハラム(狩られる側)の追跡劇が始まる。森の中を四つん這いになって進むトミー・リー・ジョーンズの動きが速くてスムーズ。暗殺部隊の「ナイフで人を確実に殺すための」特訓風景が具体的。銃を使わない戦闘が新鮮。いい年をしたオッサン同士が自作の武器で戦うラストが凄まじい。浦澤直樹の『パイナップル・アーミー』『マスター・キートン』思い出した。
鑑賞日:09月14日 監督:ウィリアム・フリードキン

スパイ・ゲーム [DVD]スパイ・ゲーム [DVD]
トニー・スコット監督。CIA工作員ネイサン・ミュアーが、謎の単独行動により中国の刑務所で拘束された元教え子トム・ビショップの救出を図る。危険を冒してまでトムが刑務所から救い出そうとした人物は誰か、ネイサンとトムが行った任務行動の回想から明らかになる。ネイサンの4回もの離婚の過去や、"Operation Dinner Out"という作戦名、「老後のために金を貯金しておくこと。絶対に誰のためにも手をつけるな」といったネイサンのトムへの助言等、伏線が次々と回収されていく後半が面白い。眼鏡のレッドフォード渋い。
鑑賞日:09月14日 監督:トニー・スコット

バッドボーイズ2バッドバッドボーイズ2バッド
ジェリー・ブラッカイマー製作、マイケル・ベイ監督。セラピストにかかりストレス・チェックリストを冷蔵庫に貼るマーカス。セラピストの決まり文句「ウ〜サァ〜」が連発される。麻薬密輸組織ボスの小太りの娘が可愛い。冒頭マイクがマーカスのお尻を撃ったことが後のゲイネタの伏線となっている。死体の中に麻薬を詰め込んだ挙句首チョンパなど、不謹慎な死体ギャグあり。全体的に爆破からの切株多い。黒人、ハイチ人、キューバ人など、メインが白人以外だがマイケル・ベイは車を奪われそうになる運転手役で出演。ヘリが主人公達の周りを回りすぎ。
鑑賞日:09月14日 監督:マイケル・ベイ

ミラーウォーズ [DVD]ミラーウォーズ [DVD]
米露合作軍事映画。ロシア人が英語を喋っている。ステルス戦闘機サーベルタイガーを巡り、組織に裏切られた元CIAエージェントのマルコム・マクダウェル、米国CIA、ロシアの連邦保安局、パイロット、そして謎の黒幕ルトガー・ハウアーが入り乱れる。マクダウェル演じるマードックの、スパイならではの状況判断に痺れる。配管工コスプレのマクダウェルが、「水漏れの修理に来た」と言いながら大爆発を起こす。クライマックス、ロシア人パイロットが空中で機首を逸らせて「コブラ」という技をやると「あのロシア野郎やるな」とアメリカ人が感嘆。
鑑賞日:09月15日 監督:バジリ・チグニンスカイ

北国の帝王 [DVD]北国の帝王 [DVD]
命がけのタダ乗りの話。カリスマ的ホーボーのA No.1と、19列車の鬼車掌シャックの男の意地をかけた戦い。シャックがいきなり金槌でホーボーの頭を殴り線路に彼の体が挟まれる場面から始まる。技術を極めた無賃乗車と、その阻止の攻防が華麗に繰り広げられる。リー・マーヴィンアーネスト・ボーグナインの顔圧が凄い。壮年のオッサン同士が木材とチェーンで殺し合う終盤は圧巻。ラスト、「お前には品位がない」や「ホーボーの器がねえ!」という、A No.1から若造ホーボーへの台詞の説得力。「遊びじゃねえんだ!」、心得ておきます。
鑑賞日:09月17日 監督:ロバート・アルドリッチ

ファニーゲームU.S.A. [DVD]ファニーゲームU.S.A. [DVD]
ブログに感想書きました。⇒ 「本当の攻撃対象は誰か?−『ファニー・ゲームUSA』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20110917/1316286744
鑑賞日:09月18日 監督:ミヒャエル・ハネケ

ファイナル・デッドサーキット スタンダード・エディション [DVD]ファイナル・デッドサーキット スタンダード・エディション [DVD]
風が吹けば桶屋が儲かる」式バッド・ラックホラー。スクリーンに登場したときから「最終目的地=死」が定められている人々の死に様を鑑賞する映画。「惨事の予想→惨事の阻止→安心→違う惨事」のループで何度も殺される女性たち。いつにも増して、観客に思い入れさせる気を引き起こさない、浅い人物造形が凄かった。「こいつらが生き残ろうが死のうがどーでもいい」という。命を消費されるためだけに画面に登場する人々。生死を賭けたサーカス。死の連鎖や順番といったルール説明にネット情報という設定で過去作が言及されるが、おざなりな扱い。
鑑賞日:09月19日 監督:デヴィッド・R・エリス

デス・レース2000 [DVD]デス・レース2000 [DVD]
ブログに感想書きました。→「先生、大統領は得点に入りますか?!−『デスレース2000』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20110920/1316532083
鑑賞日:09月21日 監督:ポール・バーテル

ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]
ブログに感想書きました。⇒「求む!人生経験−『ラスベガスをぶっつぶせ』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20110921/1316553381
鑑賞日:09月21日 監督:ロバート・ルケティック

タラデガ・ナイト オーバルの狼タラデガ・ナイト オーバルの狼
NASCAR(全米自動車競争協会)を舞台としたカーレース・コメディ。挫折した花形レーサーが、生き別れの父の指導でレースへの復帰を目指す。ウィル・フェレルが幼馴染(ジョン・C・ライリー)やフランス人ドライバー(サシャ・バロン・コーエン)にモテまくり、ホモソーシャル・ギャグやゲイ・ギャグ満載。カーレースの起源を禁酒法時代まで遡るなど、車映画というジャンルに意外と真面目だと思った。トラックでの祈りの言葉にキリストやアラーだけではなくトム・クルーズまで出てくるのに笑った。ウィル・フェレルはピザ屋の格好が似合う。
鑑賞日:09月22日 監督:アダム・マッケイ

Catch-22Catch-22
主役ヨッサリアンを演じるアラン・アーキンが原作のイメージにピッタリ。時系列を原作とは変え、下巻からのエピソードが多い。商談をしているマイロ(炊事係)とキャスカート大佐の後ろで爆発する爆撃機など、小説にはできない同時多発性でブラックさが増幅されている。ダリやマグリットの絵のようなシュールな絵作り。主役の意識が何度も戦友の死の場面に戻っていること、敵が一人も出てこず、戦争が内輪のビジネスになっていることがよく分かる。M&M株式会社の取締役で、味方への爆撃さえも請け負うマイロー、凶悪。説明的でなく簡潔でよい。
鑑賞日:09月23日 監督:M

沈黙の奪還沈黙の奪還
元CIAのジャックは企業家として成功していたが、休暇を過ごしにやってきたルーマニアで娘を誘拐され、アメリカとロシアを巻き込む恐ろしい陰謀の渦中に。点穴を弟子に教える場面から始まり、ヘリを地上から拳銃で狙撃し撃ち落す、味方が捕まってても敵の眉間を撃ち抜く、2人同時に銃口を向けられても勝つ、点穴で敵を漫画のように吹っ飛ばすなど、磐石の強さ演出が凄い。このシリーズでの安定感が『マチェーテ』での「いくら殺しても死なないセガール」というパブリック・イメージに繋がったのか。あまりに強いのでスリルがないのが難点。
鑑賞日:09月24日 監督:ミヒャエル・ケウシュ

天地創造 [Blu-ray]天地創造 [Blu-ray]
BDで観ると、驚くほど鮮明なので驚いた。前半はアダムとイヴ、カインとアベルバベルの塔ノアの箱舟の話、後半はアブラハム、ソドムとゴモラの市の話。楽園追放シーンのアダムとイヴは有名な西洋絵画に構図を借りているが、題名が思い出せない。木造・原寸大のノアの箱舟は大迫力。ニムロドの顔を見ないよううつ伏せになる奴隷たち、闇討ちの際松明を付けられた山羊、ソドムでの獣姦を示唆するシーン、神の使い役ピーター・オトゥールの目力。言葉を疑うことを許さず、子を捧げよと信仰心を試す旧約聖書の神は、怖いヤンキーの先輩のようだ。
鑑賞日:09月24日 監督:ジョン・ヒューストン

十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
「モーゼによる自由の誕生を描いた」とセシル・B・デミル監督がテーマ説明してから始まる。聖書では描かれないモーゼの生涯の中間部を、フィロンやヨセフスの文献を元に描く。セットと一目で分かる背景は、同じ聖書物でもロケが多かった『天地創造』とは異なる。オベリスクの建造シーンや巨大建造物用煉瓦の作成過程は勉強になる。エジプト人初登場時の決めポーズの滑稽さ、ネフェルテリ役アン・バクスターのスケスケ衣装のエロさ、ラムセス役ユル・ブリナーの鋭角的美貌。神の業の合成場面を見て、特殊効果を用いない方が映画が古びないと思った。
鑑賞日:09月25日 監督:セシル・B・デミル

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