2012年2月に観た映画・DVD

2月の鑑賞メーター
観たビデオの数:14本
観た鑑賞時間:1234分

28日後... 特別編 [DVD]28日後... 特別編 [DVD]
事故で意識不明だったメッセンジャー・ボーイのジム。28日後に目が覚めると、街が廃墟と化していた・・・。新聞記事の切れ端、尋ね人の写真が張り付けられた街頭掲示板、ジムの両親が握っていた写真の裏に書かれた「目を覚まさないで」というメッセージ、協会の壁に書かれた「悔い改めよ。終末は近い」等、字で残された痕跡により何が起こったか示す序盤が秀逸。メッセージ性は、"HELL"が"HELLO"になる結末まで引き継がれる。後半では敵が軍隊になり、ひ弱だった主人公がゾンビを味方にし自らも暴力性を身に付け女性二人を助け出す。
鑑賞日:02月07日 監督:ダニー・ボイル

Tucker & Dale Vs. Evil [DVD]Tucker & Dale Vs. Evil [DVD]
ブログに感想書きました。→ 「高慢と偏見ステレオタイプ-『タッカーとデール 史上最悪にツイてないヤツら』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20120212
鑑賞日:02月12日 監督:

ドラゴンタトゥーの女ドラゴンタトゥーの女
女性の叫び声がノイジーな「移民の歌」で始まるOP。黒いタールのような流体が衝突して一つになり、抱擁しては離れる場面は、リスベットとミカエルの関係を表しているようでもある。彼女が後見人の弁護士と面会するシーンは絶えず低音のノイズが流れており、彼女の不穏な心中を表す。原作では理路整然と自分の意思を述べるリスベットが、今作ではまったくコミュニケーション不能な人間のように描かれており、社会における彼女の異物感をよく表現している。地下鉄でMac Bookをひったくられるシーンでのリニアなカメラワークが印象的。
鑑賞日:02月14日 監督:デヴィッド・フィンチャー

 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
80年代に一世を風靡した宇宙刑事ギャバンが復活。メタリック・シルバーのボディ、レーザーブレード、蒸着プロセスのカッコよさが古びてないのに驚く。マクー一族の末裔で、ドン・ホラーの血筋を引く由緒正しき悪役(演じるのは佐野史郎さん)の「宇宙を支配するのは私だ」的な大見得に、「だから?」「知るか!」と返すゴーカイジャー現代っ子ぶり。マクー監獄の何層にも分かれる構造は、『インセプション』っぽい。バトルケニア、デンジブルーとギャバンの不思議な親和力で魔空空間への入り口が開かれる。刑事の脱獄を海賊が助けるという展開。
鑑賞日:02月15日 監督:中澤祥次郎

ハンターハンター
ブログに感想書きました。→ 「追う者と追われる者の類似性―『ハンター』感想」 http://d.hatena.ne.jp/Stroszek/20120215
鑑賞日:02月15日 監督:ダニエル・ネットハイム

ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵 [DVD]ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵 [DVD]
飛び散った血が画面にこびりつく、俯瞰の位置でカメラを回して人物を撮るなど、実写のような撮られ方。特にガッツの一騎駆けのダイナミックさは一見の価値あり。甲冑や剣の重みが伝わってくるが、西洋甲冑アドバイザーがついているらしい。物語展開は原作とは少し異なり、ガッツとグリフィスの出会いから描く。「お前が欲しいんだ」、「お前は俺のために戦え」等、籠絡するようなことを言っておきながら、実は友とは思っておらずガッツを利用しているだけのグリフィス。どの女性キャラよりも美しく描かれている。主題歌:平沢進、音楽:鷺巣詩郎
鑑賞日:02月15日 監督:

AKIRA DTS sound edition [DVD]AKIRA DTS sound edition [DVD]
金田と鉄雄の関係性が面白い。口の動きがアメリカのアニメみたいだと思ったら、音を先に録音するプレスコアリングだったらしい。題名=主人公の名前ではなく、主人公の名前は絶対に明かされない点が興味深い。全力疾走のバイクから飛び降り飛び乗る金田はやはりカッコいい。新興宗教、薬物依存、人体変形、片腕サイボーグなどの点に80年代を感じる。カオリがプチっと潰される場面は、何度観ても衝撃。最後、一つの点に向かっていく映像が、『2001年宇宙の旅』のようであり、疾走するバイクから見える風景のようでもある。音楽に躍動感あり。
鑑賞日:02月18日 監督:大友克洋

ルチオ・フルチの幻想殺人 デジタル・リマスター版 [DVD]ルチオ・フルチの幻想殺人 デジタル・リマスター版 [DVD]
池袋文芸坐ルチオ・フルチオールナイト(1)。原題"Lizard in a Woman's Skin" イングランドが舞台のジャーロリッチモンド・パーク、ウォバーン・アビー(Woburn Abbey)などが見られる。有名な政治家の娘キャロル。隣人女性ジュリアを殺害した悪夢を見た次の日、彼女は本当に死んでいた。衣装や遺跡での撮影、序盤における美女同士の絡み等、色鮮やかでゴージャスだった。ヒロインを執拗に襲う蝙蝠が怖い。閉じこめられていた部屋から逃げる場面や螺旋階段で追われる場面、『サスペリア』を思わせる。
鑑賞日:02月18日 監督:ルチオ・フルチ

ビヨンド -デジタル・リマスター版- [DVD]ビヨンド -デジタル・リマスター版- [DVD]
池袋文芸坐ルチオ・フルチオールナイト(2)。「汝、果てなき闇に包まれ、永遠にさまよわん」。1981年、ルイジアナ州のセブンドアーズ・ホテルを継いだライザ。しかしそこは「地獄の門の一つ」と言われる場所だった。・・・ 煮えたぎった漆喰、炎、硫酸、釘、ガラス等顔への執拗な攻撃が特徴的。美女が"The Book of Eibon"を読む冒頭が『インフェルノ』(地獄の門系ホラー)に類似。想像を絶する恐ろしい光景を見た後に目が焼かれ、盲目になるという設定が秀逸。死人が地獄から出てきて彷徨い歩く黙示録的地獄絵図。
鑑賞日:02月18日 監督:ルチオ・フルチ

ルチオ・フルチのザ・サイキック デジタル・リマスター版 [DVD]ルチオ・フルチのザ・サイキック デジタル・リマスター版 [DVD]
池袋文芸坐ルチオ・フルトオールナイト(3)。 1959年、ドーヴァーのホワイト・クリフからヒロインの母親が投身自殺をする場面で、落下中顔が岩に当たって砕ける様を詳細に描くのがフルチの作家性か。母の自殺を幻視してから18年後の1972年、ヒロインは女性が殺される様を幻視する。自分の超能力を頼りに、嫌疑をかけられた夫の無実を証明しようと奔走するが・・・。壁に埋められた白骨死体など、ポーの『黒猫』がモチーフ。ヒロインに執着していたいかにも怪しい人物が真犯人ではなく、中盤で探偵役に転ずるのがうまいと思う。
鑑賞日:02月18日 監督:ルチオ・フルチ

サンゲリア2 [DVD]サンゲリア2 [DVD]
池袋文芸坐ルチオ・フルチオールナイト (4)。 英題"Zombie 3"。細菌兵器デスワンが流出。感染を防ぐために軍部が下した決断は、Zone内にいた者全員の皆殺しだった。"Vanishing Point"のSuper Soulを思い出させるDJ、Blue Heartが「軍人を見かけたら、助けを求めて走れ」と言った直後に、ゾンビがヨロヨロと軍人に駆け寄るとライフルで撃たれ、"We need something to eat."と言ってキッチンに入ったカップルがゾンビの餌食となるなど皮肉も。ロケ地フィリピン。
鑑賞日:02月18日 監督:Array,ヴィンセント・ドーン

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディションTHE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション
日本のビデオ版と劇場版を合わせたような内容。ほとんど日本版で起こっていたことしか起こらないので意外性はないが、伽耶子が残していた日記帳や写真の禍々しさは物凄く嫌な感じだ。時空の位相をずらし、過去と現在がシャッフルされるような語り方はやはり面白い。現在の登場人物が呪われた家の中で過去に迷い込み、そこにいる人物の行動を見ているのに、過去の人物はそれに気づかず気配を感じ取るだけ、という演出、トニー・スコット監督の『デジャヴ』(2007)でも出てきたが、この映画は影響を与えたのだろうか。家は日本版と別物らしい。
鑑賞日:02月25日 監督:清水崇

28週後... (特別編) [DVD]28週後... (特別編) [DVD]
レイジ・ウィルスによりイングランドに"Infected"が大量発生してから28週後の話。ウィルスに対して生まれつき抗体を持つ主婦の目のアップから始まり、米軍が生活エリア内を監視するシーン、監視カメラの映像など、「観ている側」の視点が描かれる。しかし「観る」だけではなく「介入」しようとしたことをきっかけに、感染が再び拡大する。「保護」のため地下室に閉じ込められた民間人のパニック、米軍狙撃兵ドイル軍曹役のジェレミー・レナーなど見もの。なぜかトラファルガー広場のネルソン提督像の帽子がキノコ雲にオーバーラップ。
鑑賞日:02月28日 監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ

テキサス・チェーンソー [DVD]テキサス・チェーンソー [DVD]
1974年のトビー・フーパー監督作『悪魔のいけにえ』のリメイク。ヒロインのヒューマニズムが同行者を危険に晒す展開に。精肉場、製粉所、足のない男の家等、多彩なロケーション。土地勘のある人を相手にした場合、建物に飛び込むのは危険なはずだがヒロインはなぜかサバイブ。ヒロインの彼氏の顔を被ったレザー・フェイスが振り向いた瞬間のインパクトや、フックにかけられた大学生の痛々しさなど、印象に残る。次回作への布石としてビデオ映像を使っている。食人家族がヒロインを交え食卓を囲んで一家団欒するシーンがないのは寂しい。
鑑賞日:02月29日 監督:マーカス・ニスペル

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