2012年8月に読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:719ページ
ナイス数:2ナイス


Batman Versus BaneBatman Versus Bane
南米某国の政治犯が収監される監獄Pena Duro(The Hard Stone)で生まれた子供。「いかに彼が生まれたかではなく、いかに彼が創造されたか」(p.3)についての物語とあるように、この子供が失神中に見た自らの理想像を追い求め、"Bane"という人格を作り上げて行く過程が前半で描かれる(ここらへんは『スーパー!』っぽいと思った)。何か国語も身につけ、筋トレをする姿がストイックだが、後半ラーズ・アル・グールに"You lack any kind of grace."と言い放たれるのが悲しい。
読了日:08月04日 著者:Chuck Dixon


Banging Your Head Against a Brick WallBanging Your Head Against a Brick Wall
ブリストルに捧げられた、2001年の作品集。冒頭で、「美術界に受け入れられることは自分の目的ではない」と明言。グラフィティとは、アーティストであるために最も誠実な方法と言うが、その理由は「金がかからないし、それを理解するために教育はいらないし、美術館よりもバス停に絵を飾る方が面白い」からとのこと。ブリストルを出てロンドンに来たばかりの作品は、今よりもより攻撃的・先鋭的で、監視カメラ、ドブネズミ、猿をモチーフとした作品が多い。グラフィティが通常のアートに勝るのは、「街の一部になるから」というスタンスを表明。
読了日:08月06日 著者:Robin Bansky


Off the Wall: A Book of Bristol GraffitiOff the Wall: A Book of Bristol Graffiti
Bristol Central Library所蔵。2007年初版。ブリストルのさまざまな場所にあるグラフィティを写真により記録。キャプションは所在地の名前だけで、作者名がないのが不親切。「グラフィティは本質的にはかないものであり、最良のものでさえも、新しい絵にとってかわられ、汚し屋によってめちゃくちゃにされ、時とともに消え去る」(p.5)という箇所が、この本の存在価値を保証している。裏表紙にBanksyの"The Hanging Man"(Park Street)を使用。既に消されている作品も多い。
読了日:08月12日 著者:Stephen Morris


Further Off the Wall: Street Art in BristolFurther Off the Wall: Street Art in Bristol
Bristol Central Library所蔵。2011年初版。"Bristol street art is a fast-moving tableau[...]. From walls in flux this second book of Bristol street art captures recent work (and a few old pieces) by amongst others: [...]"(5)と言いながらも、バンクシーの作品を10点も使用(裏表紙含む)。商業的判断か。
読了日:08月12日 著者:Stephen Morris


Crimes of Passion: Street Art in BristolCrimes of Passion: Street Art in Bristol
Crimes of Passionという、2009年3月21日から5月4日の間、ブリストルのRoyal West of England Academyで行われたストリート・アート・エキシビジョンの記録。ギャラリーの近くで撮られた写真を中心にしたサイト・スペシフィックな展覧会。アーティスト名、作風、露出メディア、アーティストのサイト名と連絡先メールアドレスが載っている。ナイキやコカ・コーラなどの仕事をしたことがあると紹介されている人々もおり、"Sell-out"と見なされることを恐れてはいないのが印象的。
読了日:08月13日 著者:Katherine Cockshaw, Felix \'FLX\' Braun


恐怖の映画術―ホラーはこうして創られる恐怖の映画術―ホラーはこうして創られる
90年代に生まれたJホラーの魅力を探る本。監督・原作者など、クリエイターのインタビュー集を第一部、著者が過去に執筆した和製ホラー映画のレビューを第二部とする。(佐々木浩久監督)「今の映画に対して思うことは、ビジュアルを優先し過ぎているということ。[...]面白いストーリーがまずあって、映画を作っていきたいなって」(112)(鶴田法男監督の「ドーナツの穴の理論」について)「俳優が演技している部分をドーナツの輪とすれば、心霊のような恐怖の存在が穴になる」(216)など、それぞれの監督のホラー映画観が面白い。
読了日:08月20日 著者:鷲巣 義明


マーベルゾンビーズ (MARVEL)マーベルゾンビーズ (MARVEL)
マーベルコミックスのヒーローたちが、ゾンビとなってひたすら人肉を喰う。さすがは元ヒーローだからか、通常の人間とは違い、ゾンビ化したあとも思考力は失われないが、飢餓感に苛まれると、「ヒーローがこんなこと言うなんて…」と幻滅必至の台詞がだだ漏れになっててひどい(褒め言葉)。親友を少しずつ切り刻んで食べ、伴侶を食べてしまって後悔に頭を抱え、シンボルが脳とともに真っ二つにされたヒーローたちの姿を見るのは、ゾンビ映画とアメコミ両方とも好きな人々にとっては、確かに「ギルティ・プレジャー」(解説にある言葉)かも。
読了日:08月20日 著者:ロバート・カークマン

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター