2012年9月に観た映画・DVD

9月の鑑賞メーター
観たビデオの数:11本
観た鑑賞時間:1541分

リング [DVD]リング [DVD]
テレビの砂嵐とビデオテープの画素の荒さと海の波のうねりと、すべてが「貞子の怨念」の比喩としてつながり、機能している。タイムリミット残り二日間で、嵐の夜、大島から伊豆に小さな漁船で移動、何時間もかけ井戸から水汲み作業の場面の肉体的きつさ。井戸から出てくる貞子のカクカクした動きは芸術的。「超能力者、気違い、ストーカー、幽霊」という怖さの条件を全て備えている貞子は、やはり最強である。しかし浅川を殺さなかったのには、増殖のルールを満たしたのもあるだろうけど、「見つけてくれてありがとう」という気持ちがあったのでは。
鑑賞日:09月01日 監督:中田秀夫

虫フードファイター佐々木孫悟空の世界最強虫喰王決定戦 [DVD]虫フードファイター佐々木孫悟空の世界最強虫喰王決定戦 [DVD]
「虫喰王決定戦」とあるが、日本人で虫喰いに挑戦するのは佐々木孫悟空さんだけ。彼がギネスブック認定の「ゴキブリ早食い王」や「ミミズ早食い王」に挑戦する孤独な戦いを描く。オオスズメバチ、大王サソリ、タンザニアオオヤスデ、ヤエヤマオオムカデ、チリアンコモン・タランチュラ、メガボール(巨大ダンゴムシ)、デュビア・コックローチなど、巨大昆虫を食べつくす(海外遠征あり)。虫同士を戦わせ、負けた方が佐々木氏に喰われるという真の意味でのデスマッチが。佐々木氏が虫食いでやっていこうと決意したきっかけは何だったんだろうか…。
鑑賞日:09月01日 監督:

プロメテウス [Blu-ray]プロメテウス [Blu-ray]
最高!今年劇場で観た映画でいちばん!マイケル・ファスベンダーが、ある映画の主人公を真似るんだけど、「ファスベンダーを金髪、碧眼にしたらこの人に似てるんじゃないか?」と最初に考えついた人は天才だと思う。エンドロールで最初に出てきた名前に感動、最後の企業マークにたまげた。「ギーガーのデザインをいちばんうまく使えるのは俺だぜ」というリドスコの声が聞こえた気がした。「女の人がひそかに抱いていた願望通りの目に遭う。最悪の形で」って映画でもある。最終的に凄い物に“get laid”されるヴィッカーズ!続編も楽しみ。
鑑賞日:09月02日 監督:

フレイルティー 妄執 スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD]フレイルティー 妄執 スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD]
これは面白かった。"Godhand"(神の手)を名乗る連続殺人犯の兄という人物が、FBI捜査官のドイルに真相を語り始める。兄弟の父親が過去突然神の啓示を受け、悪魔退治を始めたことがすべての発端だった。父親の行動が、完全に猟奇殺人鬼の行動様式で怖い。長男を監禁し、無理やり神を見せようとする方法は、以前NHKの再現番組で観た、オウムが信者を改心させた方法とそっくりでゾッとした。父親役のビル・パクストン(初監督作)の悪魔を恐れる演技は名演だと思う。長男を演じた子役が繊細な表情で引きこまれる。
鑑賞日:09月07日 監督:ビル・バクストン

SF/ボディ・スナッチャー [DVD]SF/ボディ・スナッチャー [DVD]
「宇宙人⇄人間すり替わり」SF。水滴から触手めいた物が広がっていくシーンが秀逸。花やさやなど、植物に寄生する地球外生命体の造形が素敵。"Conspiracy"(陰謀)という言葉が3回ほど聞こえた。「恋人が変わった」と言うヒロインに対し、「浮気」「性病」と並べ「ゲイ転向の可能性」を示唆する主人公に、色々考えさせられる。植物を媒介として侵略、人々をコントロールするのが精神科医、複製が主体を乗っ取り自分が消えるといった設定が面白かった。心音のような効果音がサスペンスを高める。人面犬のシーンは今観ても衝撃的!
鑑賞日:09月08日 監督:フィリップ・カウフマン

ゴースト・ハンターズ [DVD]ゴースト・ハンターズ [DVD]
原題"Big Trouble in Little China"。サンフランシスコのチャイナタウンで、トラック運転手のジャック・バートンは、相棒ウォンの婚約者を「死の貴族」を名乗る強盗団から取り戻そうとして、チャイナタウンの地下を支配する魔術師ロー・パンとの闘いに巻き込まれる。『パラダイム』にも出演していたデニス・ダン(ウォン役)とヴィクター・ウォン(エッグ・シェン役)がコミカルな演技でいい味を出している。ロー・パンの守護神である目のお化けが非常に可愛い。七三眼鏡インテリ風のカート・ラッセルの姿が拝める。
鑑賞日:09月09日 監督:ジョン・カーペンター

1999年の夏休み [DVD]1999年の夏休み [DVD]
人里離れた寄宿学校の夏休み、事情により実家に帰れない少年達がたった3人の共同生活を始めたところに、3か月前に自殺したと思われていた生徒そっくりの少年が現れる。半ズボン、サスペンダー、靴下留め、ショートカットの少女達が少年を演じているのだが、少年とも少女ともつかない不思議な美しさ。殺すつもりもないのに咄嗟に昆虫を殺してしまうカズヒコ、PCのようでPCでない不思議な機械に片手でタイプする課題に勤しむ少年達、大きな柱時計、レトロな家具、近未来っぽい不思議なガジェット、白いカーテンに溢れる夏の光。素晴らしい。
鑑賞日:09月11日 監督:金子修介

桐島、部活やめるってよ桐島、部活やめるってよ
桐島というバレー部の花形選手であった男子高校生が部活をやめたことから引き起こされる騒動。彼が二年生であること、部活を辞めてから学校に来てないことを鑑みると、中退するのではないかと思われる。その壮絶なやめっぷりを前に周囲の同級生が動揺したり右往左往するのだが、彼らもそれぞれ「自分のやりたいことが分からない」、「今やっている部活はただ好きだから」など、「始まる前に終わっている」。桐島は、「やめた」ことにより、自分の人生がまだ「始まってもいない」と、ある人物に気づかせる。不在の中心としてのカリスマが桐島。
鑑賞日:09月12日 監督:吉田大八

悪魔のようなあいつ DVDセット2悪魔のようなあいつ DVDセット2
面白かった!主人公発狂エンディング最凶!浦辺粂子さん(お団子髪、銀縁メガネ)が、福々しい雰囲気で殺伐とした物語に救いを与えている。当初は三億円事件時効の1975年12月10日まで続けられる予定だったが、視聴率の関係で75日を残して17話で終わったらしい。ジュリーが一人ボニー&クライドになる変なテンションのエンディングがよかった。本編はビデオ映像だが、たった一人で金を盗み隠した回想シーンだけフィルム映像で何度も流れる。それだけ主人公がその現金強奪場面を自分の青春のピークとして脳内で繰り返してるのだと分かる。
鑑賞日:09月17日 監督:

悪魔のようなあいつ DVDセット1悪魔のようなあいつ DVDセット1
ジュリー(当時27歳)も神々しい色気があったけど、藤竜也(当時34歳)のセクシーさがやばい。二人で着衣のままスイミング(『ロッキー3』の海岸シーンか!)、ナイフで竜也の白シャツを切り裂くジュリー。主人公が仲間の全員を裏切ったと分かる中盤の盛り上がりが凄かった。可門良が、妹から兄貴分の奥さんから妹の看護婦から、会う女性会う女性にモテまくるのだが、基本総受けで気怠そうに受け入れているだけで、中盤「どいつもこいつも俺にもたれかかりやがって!」とキレる場面があり、「モテるにはモテる辛さがあるんだな!」と思った。
鑑賞日:09月17日 監督:

屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]
「おうちに怖い人が押し掛けて来る」(©一緒に観た友人)系のホラー。交通事故で夫を亡くした妊婦を、正体不明の女が訪ねて来る。"Inside"という原題の通り、屋敷内や妊婦の腹の内部を見せつつ展開。羊水に漂う赤ん坊の映像からはCGっぽさが消えていないので、赤ちゃんが痛めつけられている場面にリアリティがないのが救いか。幽霊っぽい黒衣の女(ベアトリス・ダル!)が鋭利な刃物を躊躇なく振り回すのが怖い。特に台所だが、家庭には危険物がいっぱいあることが分かる。ラストシーンは「痛たたたたた…」とのけぞりながら観ていた。
鑑賞日:09月23日 監督:Array,アレクサンドル・バスティロ

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