『八つ墓村』 下巻

「通りすがりの不審者」として登場する古谷金田一の飄然とした佇まいがいい。

 

葬式の場面で出て来る風呂吹き大根が美味しそう。

 

村人達が辰弥を犯人と決めつけ山狩りする描写、落ち武者を惨殺した4世紀前とあまりメンタリティが変わってないようで興味深い。

 

最後、新聞記事で知らされるある災害の顛末は悲惨。田舎に代々伝わる財産に執着した者は身を滅ぼすのか。しかしあくまで傍観者である金田一のカラッとした笑顔にすべてをチャラにされた気分になる。

 

ところで、このシリーズは都会ー田舎の移動を黒煙を立てて走るSLで表象することが多い。