『犬神家の一族』下巻

三人娘、特に年長の松子が抱く父への復讐心が露になる。

 

京マチ子演じる松子が佐兵衛の肖像画の前である物を燃やすときに見せる笑みが凄絶な美しさ。終盤のこの人は、画面越しに麝香の匂いが香ってくるような妖婉さだ。

 

金田一は関係者をしつこく尋問するだけで、あまり犯罪の予防に役立っていない気がする。彼の役割は佐兵衛の血脈に流れる呪いを解くことがメインのよう。

 

この探偵は東京からやってくるし、ある人物は最後、「東京で働こうと思って」と言う。そこは当時の地方在住者にとって、しがらみに囚われた地域社会から逃れる場所だったのか。

 

犬神家の一族 上巻 [DVD]

犬神家の一族 上巻 [DVD]

 

 

 

犬神家の一族 下巻 [DVD]

犬神家の一族 下巻 [DVD]