2013年1月に観た映画・DVD

1月の鑑賞メーター
観たビデオの数:5本
観た鑑賞時間:481分

Martha [VHS] [Import]Martha [VHS] [Import]
1974年独。TV映画として製作された。女性に酒も煙草も禁ずる支配的な父の元で育てられたマルタ。旅行先で父が急死したあと、ドイツ大使館で知り合ったヘルムートと交際し結婚するが、彼はとんでもないサディストだった。『意識の収奪』(ハンス・キリアン)という本を読み、彼女の記憶を否定し混乱させ、夫を喜ばせようと外見や料理で努力する彼女を嘲笑し、あらゆる機会に乗じて彼女の願いを却下するヘルムートは、極めて効率的にマルタの自我を崩壊させることに成功する。女性の人生における、父親から夫への支配力の移行が描かれた悲喜劇。
鑑賞日:01月06日 監督:Rainer Werner Fassbinder

グラスハウス [DVD]グラスハウス [DVD]
2001年米。郊外で両親と弟と幸せに暮らす女子高生ルビー。しかし両親が事故死し、かつての隣人夫婦が後見人となる。彼らは広大な豪邸に暮らしながら年頃の姉と弟を同室にするなど、不審な行動を繰り返す。ルビーは彼らの目的が姉弟の莫大な遺産目当てなのではないかと不信感を募らせる。細身で金髪を真ん中分けにしたリーリー・ソビエスキーが、恐らくその年代の彼女にしかなかったであろう儚い美しさ。大人の保護下に置かれるしかない十代の無力さと大人への不信感をうまく描いている。「強欲は身を滅ぼす」という話。『ハムレット』引用あり。
鑑賞日:01月22日 監督:ダニエル・サックハイム

大野一雄 御殿、空を飛ぶ。 [DVD]大野一雄 御殿、空を飛ぶ。 [DVD]
2007年日本。1993年4月4日、横浜の赤レンガ倉庫で行われた公演『御殿、空を飛ぶ』から、大野一雄出演場面を中心として制作されたもの。演出は次男の大野慶人。白塗り、太い黒・赤二色のアイライン、明るい緑のアイシャドウで「狂女」という演目を踊る姿を見て、同じく横浜に暮らしていたメリーさんを思い出した。痙攣し、希求するかのように手を伸ばし、胎児のように寝転がる、青光りする身体は、時に神々しく、時に醜い死体のようである。老いて骨の浮き出た身体で着物を振り乱して踊る姿は、不思議に官能的だ。歪んだフォルムの美しさ。
鑑賞日:01月22日 監督:

あの夏、いちばん静かな海。 [DVD]あの夏、いちばん静かな海。 [DVD]
1991年日本。北野武名義での監督作3本目。海辺の町でゴミ回収会社に勤める聴覚障害の青年茂が、捨てられていたサーフボードを拾い、サーフィンを始める。いつも隣で支えてくれている彼女の貴子をないがしろにするほどのめりこむが…。実際に波に乗っているシーンは見せず、海岸で茂がほかの人が波に乗っているのを眺める顔や、サーフィン仲間がだべっているシーンを延々と映す演出面白い。ゴミ収集車のランプの点滅、彼女がふっと微笑む場面や、サーフィン大会で合図が聞こえず出場を逃すシーンなど、印象に残る。とても繊細で美しい映画だ。
鑑賞日:01月27日 監督:北野武

ゴーストライダー2ゴーストライダー2
2012年米。2007年の続編。1より毛量少なめでした(1はたぶんヅラかぶってた)。1よりもバイクは地味めだったけど、黒焦げのバイクは渋くてカッコよかった。2のはYAMAHAのバイクらしい。『ドライヴ』、『LOOPER』につづく、「息子を育てるシングルマザーをアウトローが助ける」映画でもあった。ゴーストライダーに変身する際のニコラス・ケイジの顔芸を観て、「ああ、この人は自分への期待がよく分かっている人だなあ」と思った。耳なし芳一のほうになったクリストファー・ランバートもかっこいい。疾走感は1以上だと思う。
鑑賞日:01月28日 監督:マーク・ネヴェルダイン 、 ブライアン・テイラー

鑑賞メーター