2012年3月に読んだ本

3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1098ページ
ナイス数:8ナイス

小学校英語の教育法―理論と実践小学校英語の教育法―理論と実践
小学校英語教育の具体的な教授法。外国語習得に関する理論にも触れている。外国語の導入教育に重要な点:教師自身の総体的な英語運用能力の向上(82)、文脈への配慮(視聴覚教材を使って文脈に意味を持たせる)(100)、「子どもたちにとって英語との出会いが意味を持つように授業を創造していく」(103)こと、音韻(素)認識能力を高める活動(150)、子供の興味・関心に大人が勝手に境界線を引かないこと(270)等。「リタラシー能力は人に生きる力(empowerment)を与えるもの」(127)という言葉が印象的。
読了日:03月16日 著者:アレン玉井 光江

80年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)80年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)
惹句は「保守化の波を揺さぶった破壊的80年代重要作100」。「プレイヤー」、「コングロマリット」、「ハイ・コンセプト」、「オライオン」をキーワードとする(p. 205)町山智浩氏の説明が明快。個別の映画紹介では、「カウフマンは、"ザ・ライトスタッフ"とは「重圧のなかの優雅さ」を指した言葉なのだと語る」(p. 119)という文章が胸熱。各映画の説明には書き手の個性が溢れていると思うのだが、署名記事ではないのが少し残念。観たいと思った映画は『ソフィーの選択』、『カメレオンマン』、『ワイルド・スタイル』。
読了日:03月21日 著者:ピーター・バラカン,大場正明,山下敦弘,添野知生,松江哲明,粉川哲夫,町山智浩,川本三郎,大森さわこ,塚本晋也,滝本誠,北沢夏音,石澤治信,鎌田絢也,佐野亨,渡部幻

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)
「ヒップホップは音楽ではない」(18)、「一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競うゲームであり、コンペティション」、「ロックは個、ヒップホップは場」(235)といった目から鱗の指摘多数。"シグニファイイング"という話芸、"レペゼン"という言い回しから見える地元主義、東海岸=「コラージュ・アート的な手法や高度なライミング」(208)、西海岸=ギャングスタ・ラップ、南部=童謡のようなリリック、パーティラップ(207)といった、それぞれの地域の作風の違い等面白い。日本文化の三要素になぞらえた説明が分かり易い。
読了日:03月26日 著者:長谷川町蔵,大和田俊之
団地団 〜ベランダから見渡す映画論〜

団地団 〜ベランダから見渡す映画論〜
大量生産技術からみる団地とアニメの繋がり、60年代田園都市沿いの開発にこめられた「理想の都市」という物語(92)、『しとやかな獣』、『家族ゲーム』、『昭和歌謡大全』の連なり、『団地妻 昼下がりの情事』オリジナルとリメイクの比較、団地とマンションの違い(132-4)、マンションポエム、ある推理小説中に出てきた団地を地図メトラー能力を使い特定する大山総裁、速水氏による階層社会、大量生産の観点からの注釈、アニメ制作の視点から団地の物語的使用を語る佐藤氏、『デジモン』猛分析、韓、仏、英、ポルトガルの団地映画紹介。
読了日:03月28日 著者:大山顕,佐藤大,速水健朗
ノブナガン(1) (アース・スターコミックス)

ノブナガン(1) (アース・スターコミックス)
台湾へ修学旅行中、いきなり日本の女子高生達が「進化侵略体」と呼ばれる生物達の襲来に遭遇。宇宙から地球へ遠い昔に飛来した「進化侵略体」に対抗できるのは、AUウェポンと呼ばれる装置のみで、それはE遺伝子という特別な遺伝子を持つ物だけが操ることができる。それぞれのE遺伝子ホルダーには、歴史上の人物の名前が冠されている。日本の女子高生小椋しおも、織田信長のホルダーであることが判明する。彼女がミリオタという設定が第一巻ではあまり活かされていないように感じるが、これからどう展開するのか楽しみ。侵略体の造形が格好いい。
読了日:03月28日 著者:久 正人

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